蕎そばの知恵袋

■'04秋号

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うまいそばの「三たて」

「三たて」とは、うまいそばの三条件として使われてきた言葉で、「挽きたて・打ちたて・茄でたて」のこと。「挽きたて」は製粉したてのことで、現在では自家製粉しなければ挽きたてを使うのは難しいですが、明治から大正の頃には粉挽き商売の「抜き屋」があり、挽きたての粉を使うことができました。いずれもそばは劣化が早いことを意味し、うまいそばは手際よく作って出さなければならないという戒めになっているようです。

 

 

 

「そば」とは

「生そば(きそば)」とは本来、つなぎを加えずにそば粉だけで打った「生粉打ち(きこうち)」のそばのこと。江戸前期においてそばといえばすべて生そばでしたが、中期以降に小麦粉をつなぎとして使うようになり、割り粉を加えた「二八そば」が、より滑らかでつるつるとのどごしがよく、たちまち主流となりました。現在では「生そば」と書かれていても、一般的に生粉打ちのそばを意味することはありません。

 

 

平打ちうどん「きしめん」

名古屋名物として知られる「きしめん」の由来は、雉の肉を入れた「きじめん」からきたのではない
か、あるいは紀州出身者が名古屋で作った「紀州めん」からではと諸説あり、いつ頃から平打ちうどん「きしめん」が食べられるようになったのかも定かではありません。江戸時代初期の有名な茶屋の麺類を記した文献に、三河の芋川(愛知県刈谷市)名物「ひらうどん」が挙げられており、形状からしてきしめんに近い麺であったと考えられます。