そばの知恵袋

■'03夏号

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かけ・もり・ざるの始まり

そばとは、もともとは汁につけて食べるものでしたが、元禄(1688?1704)の頃に、そばに汁をかけて食べる「ぶっかけそば」が広まり、それが「ぶっかけ」となり、寛政(1789?1801)の頃には「かけ」となりました。そして、汁につけて食べるそばは「もり」と呼ばれるようになりました。「ざる」は、江戸中期にある店がもりを竹ざるに盛って「ざる」と称して売り出したのが始まりといわれ、今のようにもみ海苔をかけるようになったのは明治以降といわれています。

 

 

 

屋号に「庵」が多いのはなぜ?

江戸時代中期、江戸浅草芝崎町に一心山極楽寺称往院という念仏道場があり、その院内に道光庵という支院がありました。そこの庵主が信州生まれのそば好きで、その上そば作りの名人。檀家にそばをふるまううちにそのうまさが評判になりました。そこで道光庵にあやかろうと、屋号に「庵」をつけるのが流行したということです。残念ながら道光庵は、寺としてのけじめがつかないと門前にそば禁断の石碑が建てられ3代で打ち切られました。

 

 

そばの初物は「夏そば」

「夏そば」とは、そばの品種名ではなく、夏に収穫されるそばのこと。一般的には秋に収穫される「秋そば」を「新そば」と呼びますが、実はそばの初物は、それよりも前の夏そばというわけです。夏そばの収穫は、九州あたりでは6月中旬頃から始まり、北海道でも8月中旬頃には終え、まさに夏の盛りに出回ります。収穫したてのそばで旧盆の振る舞いができるようにと、日数を逆算して種を播いたもの。最近では夏そばの栽培はあまり多くないようです。