三遊亭 司の「日日是遊有」

第二十三回「蕎麦は蕎麦でも…」

蕎麦屋は蕎麦屋でも、立喰蕎麦となるとまた別ジャンル。これから寒くなると、あの湯気とつゆの匂いにどうにも誘われる。

ふらふらっと店に入ると券売機。立喰蕎麦の王者は天玉だ。そばかうどんか自己申告すると、間もなく丼が供される。

そばにもつゆにも天ぷらにも、まったくのこだわりのなさは、実に潔い。
老舗蕎麦屋や蕎麦のご通家なら顔をしかめるだろうが、木枯しの吹く駅のホームでは、間違いなく「ごちそう」だ。

 

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カテゴリ三遊亭司の「日日是遊有」 | 2013. 11. 11. 12:43 |

第二十二回「江戸前の味」

東京には寿司に天麩羅と、なにかと「江戸前」とつくものがある。
江戸城の鼻っ先で獲れた魚で、江戸前。いいや江戸のお点前で、江戸前。
どっちだっていい、こういうことは答が多い方が面白い。

江戸前というと、寿司天麩羅を差し置いて佃煮であろう、なにしろ江戸は佃島生まれのの江戸っ子。

おまんまによくって酒にいい。甘ったるくなく醤油がキリッときいた佃煮をつつくと。お膳のむこうに江戸の雰囲気が浮かぶのだ。

 

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カテゴリ三遊亭司の「日日是遊有」 | 2013. 10. 02. 13:57 |

第二十一回「いろもの」

寄席の番組表を見ていると、何本かに一本、朱色で書かれたものがある。
関東の寄席では落語以外の出演者をこう記す、所謂、色物さんだ。

落語家にとっても、寄席にとっても大切な色物の師匠、先生方。
朱色で書かれているから、はたまた、番組に彩りを添えるから、色物。

太神楽、紙切り、漫才、糸あやつり。

落語中心の寄席の色物さんは実に上品だ。客席で見ている頃からそう思っていた。これが東京の芸だって。

 

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カテゴリ三遊亭司の「日日是遊有」 | 2013. 09. 02. 11:10 |

第二十回「500円玉の悦楽」

あまり業界にとってはいい話ではないが、いまや町の銭湯はどこにいっても、いついっても、ほぼ貸切状態だ。

貸切の湯船で手足を存分にのばし、おまけにペンキ絵の富士山をひとりじめして心までのびのび、と。

そんななかふと出る鼻歌が、いつもの三割増しで上手いときていて、殊更気分がいい。

江戸東京を伝えるも、街場から消えつつある銭湯。

暑い夏、手ぬぐいをさげて、ざぶんとささやかな日常の悦楽はいかがだろうか。

 

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カテゴリ三遊亭司の「日日是遊有」 | 2013. 08. 04. 18:28 |

第十九回「世界の富士山」

江戸っ子はとかく富士山が好きだ。
そんな富士山が世界遺産に登録される。

観光立国を目指す日本には宝の山と期待される富士山も、かつて自然遺産候補から外された、その原因は不法投棄のゴミの山。

「駿河の富士のお山からお前ぇんちが見えるわけねぇじゃねぇか」「そうかねぇ…うちから富士はよぉく見えらぁ」

江戸からじゃゴミまで目にはいらないが、日本人の心根が世界遺産に相応しいか試されるのはこれからだ。

 

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カテゴリ三遊亭司の「日日是遊有」 | 2013. 07. 08. 11:05 |
三遊亭 司のプロフィール
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