三遊亭 司の「日日是遊有」

第十一回目「酉の市」

熊手暦をひらくと、今年の11月の酉の日は一の酉が8日で二の酉が20日。俗に火事が多いと言われる三の酉ではなく、二の酉までと安穏だ。

江戸東京の酉の市といえば浅草田圃の鷲在山長國寺と鷲神社が一番の賑わいをみせる。真隣にある不夜城吉原がその賑わいを助けたのは言うまでもない。

この酉の市。前日の申から酉の日になる真夜中時分の雰囲気が断然にいい。
福を掻き込む縁起熊手が境内を華やかに彩り、熊手を買った者に送られる威勢のいい手〆の音がシャンシャンシャンと実に景気がいい。
江戸っ子たちはこの声を背にして吉原へくりこんだのだろう、昼間のように明るい境内は、まさにそんな雰囲気だ。

三の酉といえば、そんな日が月に三べんもある。さすれば留守宅の長屋のカミさん連中も黙っちゃいまい。
「三の酉まである年は火事が多い」
ぐらいのことも、そりゃあ言いたくもなるであろう。

 

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カテゴリ三遊亭司の「日日是遊有」 | 2012. 11. 02. 13:06 |
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