三遊亭 司の「日日是遊有」

第七回目「東京の漁師町」

漁師町潮風を感じる海辺の街が好きで、猫がのんびり昼寝をしているような漁師町が好きだ。
わたしの生まれ育ち住んでいる大田区にある、かつてのそんな漁師町、羽田をぶらり。

京浜急行大鳥居の駅から羽田神社にむかって歩くと、そのむこうが多摩川。すぐそこが、東京湾だ。
みなさんが羽田と耳にすると飛行場であろうが、多摩川の河口には釣船、屋形船、漁船の桟橋、そのむこうに近代的な新しい国際線ターミナルが見える、新しいものと古いものが当たり前のように混雑するのは東京の魅力であろう。

橋多摩川から今度は町中へはいってゆくと、穴守稲荷神社で賑わいをみせた門前町。海老取川にかかる稲荷橋をわたるとそこは行き止りになっているが、かつては芸者置屋、温泉、海水浴ができた大歓楽地であった。

戦前のいまの場所ではない穴守稲荷も、歓楽地もあとかたもないのは、戦後GHQによる空港付近の48時間強制撤去という悲しい歴史のせいだ。

鳥居稲荷橋からさらに河口にかかるのが弁天橋。弁天橋の先に、羽田の大鳥居がそびえる。この大鳥居は近年まで、空港の真ん中から動かせなかった橋であり、その歴史を背景にした怪談めいた話もよく耳にするが、青空と海を前にそびえる大鳥居は羽田の町を見守っているようにしかみえない。

 

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カテゴリ三遊亭司の「日日是遊有」 | 2012. 07. 05. 00:49 |
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