第四十四回「扇子供養と圓朝忌」

扇子一本舌先三寸。われわれ落語家を指した言葉だが、その舌先三寸の商売にありながら、落語中興の祖三遊亭圓朝は無舌居士という法名を与えられた。実に深い名前だ。

落語界に留まらず、文学、演劇、政治にまで及んだ大圓朝は、谷中全生庵に静かに眠っている。

その全生庵で御命日の八月十一日圓朝忌とともに行われるのが、舌先とともに大切な道具、扇子供養。

夏の暑さの中、師の無舌の境地に浅はかな思いを巡らす。

 

Comments are closed.

        カテゴリ三遊亭司の「日日是遊有」 | 2015. 09. 01. 11:27 |