第十二回「正月風景」

歌にうたい、指折り数えたあの頃のようにとはいかないが、あらたまの春とはよく言ったものでやはり正月は特別だ。
たしか、今年最初のコラムは『手拭とお年玉』だったハズ。最後も落語家の正月風景で〆たいと思う。

普段、駄々らな生活をおくっているため、さぞ気怠い元日を迎えるだろうと思いの外、落語家の元朝は早い。

おろした肌着に、黒紋付羽織袴をつけて麹町の大師匠圓歌宅に一門が勢ぞろいする姿は壮観だ。
大ししょうから念頭の挨拶とお年玉をいただき、そこから出番のある初席に出かけてゆくのだが、元日の寄席ばかりは出演者も少々お屠蘇気分…の、ことも?ある。
客席も高座も楽屋内も晴着姿で実に華やか。

初春の風に眠気を覚まされながらも、まだまだ日本の正月風景がのこることに嬉しくなる。

こうして、また落語家としての一年がはじまってゆく。

 

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        カテゴリ三遊亭司の「日日是遊有」 | 2012. 12. 01. 16:51 |