第三十回「旅-六郷の渡し」

目に鮮やかな新緑の季節、旅が庶民の楽しみだったというのは今も昔も変わらぬこと。楽しみ以上にその時分は憧れであった。なにしろ一生に一度か二度。

それ故に旅を扱う落語、噺は多い。

なかでも必ず出てくるのが『六郷の渡し』いまじゃ六郷橋という立派な橋が架かっているが、渡し船は天候に左右され、そこで足止めを喰えば噺がひとつ出来るというわけだ。

品川を過ぎ多摩川をわたれば、もうそこは旅の空だったのだろう。

 

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        カテゴリ三遊亭司の「日日是遊有」 | 2014. 06. 02. 17:22 |