第一回目「手拭いとお年玉」

手拭い暴れ熨斗、獅子舞、火消の纏、芸名の意匠、縞、紋…、落語家としての第一歩、前座から二ツ目に昇進する時に染める手拭いは芸風同様、その色、柄とも実に様々。
数少ない小道具であるこの手拭いは、高座では財布や本や手紙になり、ついでにちっともウケやしない時には冷汗までふける。

正月初席。真打や二ツ目の落語家は、賀詞と共に手拭いを交わし、そこで修行する前座はさらにお年玉を頂く。前座として迎えた初めての正月初席。顔見世で出番の多い楽屋の様子には本当に感動したもので、初めて貰ったお年玉で買った鞄は衣装ケースとして今でも大切に使っている。余談だが、私の師匠歌司も、還暦を過ぎていまだに大師匠圓歌からお年玉を貰う、そんな世界。

手拭いとお年玉そうそう。お年玉のお礼について、正月早々お小言を頂戴したのは、亡き古今亭志ん朝師匠との最初で最後の出会い。小言より何より、指の動かし方から喋り方まで、あの「志ん朝」のまんまで、一瞬ボンヤリしたものだ。

今は労いと日頃の感謝と共に渡す側になったが、前座でも二年目、三年目となるといっぱしの芸人を気取るようになり、後輩たちとみな酒とよからぬことに消えていく、『お年玉』

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        カテゴリ三遊亭司の「日日是遊有」 | 2012. 01. 05. 17:12 |